12月都々逸作品

(おりこみ課題:としこしそば)

1 ともに歩んだ しあわせ者よ 腰を伸ばして そばにいる 織姫
2 年の最後に こころを込めた しあわせ美味しき 蕎麦の味 折日根
3 取るぞ金星 シコ踏み稽古 しそうな技読む 場所の前 折日根
4 年をかさねて こえて覚える しこしこ歯ごたえ そばの味 玉子
5 気忙し暮れの 庭先とまる 西に万両 赤々と 玉子
6 年を越そうに 越せない暮らし 沁みるかき込む 蕎麦の味 穀楽
7 ばれなきゃいいと そ知らぬ顔で この支払いも 使途不明 穀楽
8 年の初めに 今年こそはと 新年の誓い 側の猫 純子
9 とくと紅白 仕込みはばっちり しんみり味わう そばのつゆ 純子
10 年を経るごと こころがまるく しなやかなれば 側に人 幸屋
11 共に長生き したいものだね 古酒をかわして 蕎麦を食う 幸屋
12 年初めから 子供が騒ぐ 正月くらい 側にいて ポン助
13 とんと出来ぬ句 思考グルグル 思想モヤモヤ バスの中 ポン助
14 年明けるのに 小言言う嫁 暫し聞いてりゃ そば伸びる 鈍八
15 里帰りして くつろぐ夫 嫁見てたじろぐ うちの母 鈍八
16 歳を忘れて 腰すえ飲めば その日ばかりは 場の宝 粕一坊
17 都市のマンション こしらえつくる その場しのぎの 罰当たり 粕一坊







11月都々逸作品

(おりこみ課題:おおみそか)

大いに笑い みんなで集う その日の苦労 糧になる 幸屋
お蕎麦を食べて おせちの味見 見慣れた情景 家族たち 幸屋
大騒ぎして 皆寝た後で 蕎麦すすりつつ 鐘を聞く ポン助
大きな夢を 見て宝くじ その夢今度 叶うかな ポン助
お掃除ぱたぱた おもちににっこり 味噌にしょうゆに 駆け回る 純子
お風呂におこた お酒熱燗 味噌なべ囲んで 語る夕 純子
鬼嫁見山 鬼婆健在 自ら夫は 疎開する 鈍八
雪降る町に 夫はポツリ 家に鬼嫁 行き場なし 鈍八
大きなお鍋を みんなで囲む 傍で蕎麦打つ 寒の団 折日根
老いも若きも 大きく笑い お屠蘇で乾杯 おめでとう  折日根
お上はとうに お見通しだぞ そこに直れと 構え立つ 穀楽
囲む捕り方 それがこの世の 見納めと見る 大暴れ 穀楽

お見それいたす お方に手前 みそをつけては 亀のくび   

粕一坊

こぼれる笑みに のぞく白い歯 憂いも懐かし 他を思う

粕一坊






10月都々逸作品

(おりこみ課題:まつたけ)

待てずに湯気が つくつくなって 互いに見合う 煙の中 純子
舞ってあがれよ 続く輩が 高め後追う 蹴って舞う 純子
まさにサプライズ 妻と夕食 食べりゃ妻だけ 今朝太る 鈍八
いが栗拾い 痛いとはしゃぐ 嫁見て夫は 胃が痛い 鈍八
また来た風に つい肩すぼむ 炊いた落葉が 煙る道 穀楽
つつがない日が つつがなく来て つつがなく行く つつがなさ 穀楽
まず焼いて食べ つぎ土瓶蒸し たのしみいろいろ 今朝の夢 幸屋
枕恋しく ついウトウトと たっぷり寝たから 今朝元気 幸屋
毎日くすり つけてる頭 叩けど揉めど 毛は生えず ポン助
窓を開ければ 月夜の光 煙草の先に 煙立て ポン助
まるい赤い実 つがいが枝で 立ち寄りちょっと 軽食す 玉子
真心こめて 作った料理 食べて感謝の 今朝の飯 織姫
惑いいごまかし ついついついた たとえ泣いても 消えぬウソ 折日根
まいったこれはと つまづきつつも 耐えて努力の 決算日 折日根
待ちわびし秋 ついにまつたけ 辿り頬張る 景色美味 手毬
おなか突き出し 天みて走る 今日は楽しい 運動会 手毬

まばゆい瞳 つられる笑顔 高嶺の花に KOパンチ  

粕一坊
格子戸越しに 夜を待つ声  染めぬく夕日 手を伸ばす   粕一坊






9月都々逸作品

(おりこみ課題:すずむし)

すっかり実り ずしりと重い 迎えた秋の 知らせ来る

安安子

スカートめくれて ズロースちらり むせる夫を 絞める嫁

鈍八

すねた嫁見て つぶやく夫 昔可愛く 今怖い

鈍八

すねたお顔が ずんとかわいい 結んだリボンが 仕合せね  

純子

すっかりくれて ずっと聞き入る むらから聞こえる 俊の声   

純子

澄んだ夜空に ずっと語らう 群れる虫の音 幸せと

手毬

たとえ雨でも 心の空は 晴れて未来へ 続いてく

手毬

好いた惚れたで 随分泣かせ 難しいのが 潮時よ

穀楽

苦悶の果ての 仄かな光り 茶を入れ見やる 窓の外

穀楽

素敵な休み ずっとは続かぬ 無邪気に笑って 仕切りなおし 

何木偶坊

寸分違わぬ 図面に感嘆 無類の達人 仕事かな  

何木偶坊

スパッと一刺し 図星の一句 むける一皮 新生す 

折日根

スルリ逃げれば ずるいと追って 無理な荷物を しょわされる

折日根

好きなあの子と ずーっといたいと 無理を言っては 叱られた

幸屋

澄んだ音色が 随所に聞こえ むずがる赤子 静に寝る

幸屋

すました顔して ズバリと言うが 昔変わらぬ 洒落た方

織姫

炊事洗濯 ずい分あるな 無理をしないで ショッピング

竜丸

すねてむくれる 図星ひとこと 無垢な笑顔も 知らんぷり

粕一坊

甘い夜ある夜 ライトも燃える 色づく顔に からむ指

粕一坊






8月都々逸作品

(おりこみ課題:ゆうだち)

ゆるゆる囲んで うふふとほおばる だってスイカに ちょっと塩 純子
浴衣に線香 団扇で涼む だから今夜は ちょっといい 純子
故なく涙 浮かんだ小径 誰かの歌が 近くなる 穀楽
知恵ある奴と 誰にも言われ ウフフと笑う 夢を見る 穀楽
湯加減いかが 伺いながら 旦那の携帯 チェックする  鈍八
夫が書いた 履歴書特技 そろばん3級 妻産休 鈍八
浴衣姿の うなじを染めて 黙るくちびる 近い夜 折日根
揺れる波間に 浮き輪がひとつ 誰を待つのか ちぎれ雲 折日根
愉快に楽しと 唄うは演歌 だまって聞こうよ ちがう節 織姫
ゆらゆら香る うなぎの香り だけどお金が ちょっと無い 竜丸
行き交う人を 上手く避けつつ ダッシュで向かう 地下街へ 幸屋
叩けばホコリ 沢山でるよ 同じ出すなら 知恵勇気 幸屋
ゆるりゆらゆら うつろ頭に 大地打つ雨 力出る 安安子
ゆるり一献 うまい肴で 大事な気持ち ちょっと言い 独活子

ゆめゆめ見るな うかつに見ると 打撃に打撲 血の気ひく  

粕一坊

朝昼晩と 目を光らせる 番頭苦虫 店におく

粕一坊








7月都々逸作品

(おりこみ課題:なつまつり)

眺めてたのし 妻の浴衣に つい惚れ直す 理屈なし 幸屋
夏のたのしみ 待ちに待ってた つるつるお蕎麦で 涼をとる 幸屋
夏だ水着だ 周りは止める 妻鏡見て 理解する 鈍八
台風一家 今日も熱いね 父母娘 よく喋る 鈍八
夏の夜花火 待つ子ら達に つき添う我も リズム乗る 安安子
夏の縁側 回る尻取り 次の番まで リラックス 穀楽
涼呼べと 吊った風鈴 待つ人呼んで 鳴っとくれ 穀楽
蝉を追いかけ 今日も暮れゆく 空の虫籠 明日こそは 手毬
なついた孫も まもなく帰る つたない仕草で リックしょう 織姫
泣いて笑って つまづき歩く 終はいらぬと 凛とする 織姫
夏の大空 またたきながら ついに宇宙へ 離陸する 折日根
波にゆるゆる つきあう夕日 真赤に光る 釣のふね 玉子
夏の暑さに 参っただけど 梅雨明けはいつ 立秋も過ぐ 何木偶坊
懐かし場面 満載テレビ つい眺めてる 理由も無く 何木偶坊
なつかしい顔 まわりいっぱい 集いワッショイ 理屈ぬき 粕一坊
童集めて 和は大切と わらじ編み編み わらう顔 粕一坊
夏だ祭りだ 待ってましたと 作る鉢巻 りんと締め 純子
和む二人に 連なる大輪 祭りに花火 涼の夜
純子





6月都々逸作品

(おりこみ課題:つゆあけ)
束の間の恋 夢なら覚めず あなた遣らずの 今朝の雨 折日根
ついついついた 夕べの嘘に 「あなたなによ!」と 蹴りが飛ぶ 折日根
つぼみ開いた 夕顔の花 赤青庭に 化粧する 安安子
つわものどもが 夢追い駆けた 跡をカエルが 蹴って飛ぶ 穀楽
喧嘩別れの あの娘の電話 湯浴び髭剃り 爪を切る 穀楽
月夜の晩に 夕立過ぎて 雨露光る 煙る庭 純子
連れ添う二人 夕暮れ赤い 遊んだバケツに 蹴る小石 純子
ついに混浴 湯船で目が合う あれま!ばあさん 煙に巻く 鈍八
浴衣姿に 惚れて嫁入り  今じゃそろって 土俵入り 鈍八
罪な男の 優柔不断 甘いささやき けむに巻く 粕一坊
罪な男が 浴衣手ぬぐい 甘い瞳で けろり顔 粕一坊




5月都々逸作品

(おりこみ課題:いいいい)

一か八かの 「い」だけのおりこみ 意図がなにかは いつわかる 何木偶坊
意味深なのか 意地悪なのか 以外にあるぞ 言うことが 何木偶坊
板に付いたと いわれ始めた 今は楽しい 忙しさ 穀楽
糸を紡げば いとしさ募り 厭い気を抜く いとまなし 穀楽
いつも気づくと 居てくれる子は いかす茶トラの いい子ねこ 安安子
一致団結 芋ほりしたら いつもよりずっと イイお味 折日根
イイ味ひと際 イイ味にする イイ方法は 飯抜きさ 折日根
いつもの時間 いつもの場所で いろいろ話せる いい仲間 幸屋
いろんなことを いっぱいしたが 一番いいのは いまのいま 幸屋
活かすその人 生き生き励む いっぱい芽生える 命燃ゆ 純子
イヤミな義母に イヤミを言われりゃ 粋な嫁御は いつもシェ〜 鈍八
質素は美徳  夫は気の毒 家訓で小遣い カクン↓減る 鈍八
意地も溶けてく ライトの光 しみる真心 さめる酔い 粕一坊
いくつになっても いろいろあっても いまを大事に いい人生 粕一坊




4月都々逸作品

(おりこみ課題:こいのぼり)

来い恋春だ 望みばかりじゃ 茫然自失の 利己主義さ 何木偶坊
子供の成長 粋に見つめる 昇れたなびけ 凛々しくと 何木偶坊
コイはコイでも 野中に願う 僕に仕合わせ 凛と来い 折日根
混んで見送る 居残り組みに ぼちぼちどうよの リンが鳴る 折日根
木漏れ日まぶしい イチョウの若葉 昇る五色の 鱗光る 純子
ジョークにこめた 真心ひびく ジュースの甘さ 染み渡る 純子
恋する予感 乗せた湖 ボート漕ぐ手も 力みがち 穀楽
金椀だろと 叩かれまくり 緩栓とかで 締められる 穀楽
花見に山へ 姑誘い 嫁が連れてく 姥捨て山 鈍八
小遣い減らされ 居残り家事さ ぼやけば家でも リストラさ 鈍八
恋にのぼせた 「あなたが好き」は 理屈じゃ割れぬ 「だけど好き」 独活子
越えて羽ばたき 祈りを込めて 冒険心で 凛と行く 手毬
顔一面に 広がる笑顔 今日この時を 塗り替える 手毬
恋こがれての 乗り合いバスを 棒に振るまい 理屈ぬき 粕一坊
身にはしみても 体裏腹 暖がまばゆい 頑固者 粕一坊




3月都々逸作品

(おりこみ課題:おはなみ)

惜しげもなしに はらりと舞って 波も立てずに 水の上 穀楽
見やすい場所を 何とか確保 張り切り皆の お越し待つ 穀楽
大きなくしゃみ ハクションとやる 慣れない季節 身にしみる  何木偶坊
おかげさまでと 晴れ姿舞う 泣けてくるのは 皆同じ 何木偶坊
穏やか日ざし 春を感じて 菜の花たちも 身を伸ばす 安安子
おなか押さえて 跳ねてはみたが なかなか跳べない 身の重さ 織姫
「思い切って」と 初めの一歩 なせば成るさと みな笑顔 折日根
おめでとうと はじまる未来 涙と笑顔に 満ちている 純子
おわんにはらり 花びら一つ 何度も見上げる 見事だね 純子
鬼嫁継承 母から子へと 涙ぐむ父 身も細る 鈍八
雛霰食う 嫁御の姿 有られも無い程 変わりゆく 鈍八
おじさんおばさん はしゃいで愛でる 和むわ広がり みな笑う 幸屋

おべんと片手に 華やぐこころ 仲間とお花見 みなたのし

幸屋

ノミが伸び伸び 飲み飲み血飲み 飲んでも飲みたや 血飲むのみ

粕一坊

重い想いも 端からさらり 和みうれしや 神酒に花

粕一坊





2月都々逸作品

(おりこみ課題:よせなべ)

寄り合う仲間 千里も一里 和んで飲んで 紅をさす  

安安子

寄って囲んで 世間話で 和めば外と 別の時

穀楽

別の暮らしが 成らぬを人の せいにするから 寄らぬ

穀楽

寄ってニコニコ 背中合わせて 仲良くつついて 別世界  

純子

べっぴんさんと 美男子さんが 年に一度の 顔合わせ

純子

嫁の迷言 節分の豆 何個食べても 別腹よ      

鈍八

鬼の形相 豆撒く嫁御 福の神様 入れない    

鈍八

夜の路地ゆく せっけんの音 鳴らす湯上り べっぴんさん

折日根

読んで感心 精読うなる 納得活用 勉強へ 

何木偶坊

予約必要 精つくなべを 眺めてたのし 別世界

何木偶坊

よいしょこらしょ せっせと買出し 何時?ワクワク ベルが鳴る

玉子

宵の口から 世界はひとつ なまりも溶け合う 別世界

粕一坊

富士の高嶺を 飲み込む気概 相手に不足 何もない

粕一坊





1月都々逸作品

(おりこみ課題:えびすがお)
笑みがこぼれる びっくり大吉 すがしい詣でに おめでとう 純子
お札抱えて 先行く父の 後行く母と いい年ね 純子
笑顔忘れた ビルの谷間に すがしい風が 送られる 穀楽
「アンデスどこ?」に 母は「何です?」 父「そりゃそこに アンデスよ」 穀楽
新札登場 年始に紛れ 古い偽札 入れ替える 何木偶坊
絵柄だけでは 微妙な真贋 透かしを見ると おや?あれれ!  何木偶坊
笑顔でいっぱい ビタミン補給 姿輝く お正月 安安子
遠路来た友 ビールで乾杯 飲めば素顔が 距離をうめ 独活子
円熟盛り 美装で祖母は 巣鴨でハッスル 老いも飛ぶ 鈍八
親戚の子に おばちゃん言われ 嫁御あげたは おとしまえ 鈍八
笑顔のきみが 紅型を着た 姿で参る お酉様 玉子
深深ふけて 凍てつく晩は 兄弟野良が 気にかかる 玉子
笑顔満面 ビシッときめて 清々しい朝 おはようさん!! 折日根
よりどりみどり 色取りそろえ 取り逃がさずに 取り入れる 粕一坊
得手と不得手が 微妙に交差 姿変えつつ おつき合い 粕一坊